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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北が狙う「非核化プロセス」の罠 福井県立大学教授・島田洋一(2018/06/18)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.06.18)

 以下は、島田洋一・救う会副会長が「産経新聞」の【正論】欄に寄稿したもの
です。参考情報として送ります。

<参考情報>

■北が狙う「非核化プロセス」の罠 福井県立大学教授・島田洋一

 北朝鮮の対米戦略は、(1)米朝首脳会談を曖昧な約束のみの「友好ショー」
に終わらせる(2)その後の実務者協議で、見せかけの「非核化措置」と引き換
えに制裁緩和を勝ち取っていく?の二段構えと見てよい。

 このうち、(1)については、ほぼ北の思惑通りの展開となった。準備段階で
トランプ大統領が、宥和(ゆうわ)派の国務省に主導権を握らせた結果といえる。
問題は(2)においても国務省優位が続くのか、それとも制裁と軍事圧力の強化
を通じた北の体制転換を目指すボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を中
心とする勢力が巻き返すのかである。

 危うさ秘める「長い道のり」

 「国務省の生え抜きエリート・タイプが必死に守ろうとするのは国益や原則で
はなく、協議の継続」というボルトン氏の言葉通り、国務省には交渉維持のため
譲歩に譲歩を重ねる体質がある。「北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を取る
まで制裁を維持する」という一般論の次元では、米政権内に特に異論はなく、日
米両政府の認識も一致している。

 しかし今後、「非核化に向けた具体的な行動」の解釈をめぐって間違いなく対
立が顕在化しよう。強硬派にとっては、少なくとも全ての核爆弾の海外搬出といっ
たレベルでなければ「具体的な行動」には当たらない。一方、宥和派においては、
一部核施設の凍結程度でも見返りを与えるべき「具体的な行動」となろう。日本
政府は今後、ボルトン氏らハードライナーの側に立つ姿勢を明確にせねばならな
い。

 なお、「非核化に向けた長い道のりの始まり」といった言い回しが米朝首脳会
談の報道中によく聞かれたが、北の術中に陥りかねない危うさがある。

 その関連で、「米専門家」は完全な非核化には10年以上かかると見ており、
その間一切、見返りを与えないというのは現実的でなく、段階的に制裁を緩和せ
ざるを得ない、といった議論も最近よく見かける。

無力化は短期間で完了する

 ここで引かれる「米専門家」の見解とは、ニューヨーク・タイムズ紙が5月2
8日付で大きく報じたジークフリード・ヘッカー教授のそれを指す。ヘッカー氏
は北の招きで過去4回訪朝し、核開発の順調ぶりを「専門家」として裏書きする
発言を繰り返してきた。いわば北の「核強国」アピールに(意識的にせよ無意識
的にせよ)協力してきた学者である。

 ヘッカー氏がいう「非核化」は次の段階を踏む。まず核施設の稼働停止に1年、
核施設・核兵器の無力化に5年、廃炉と除染に10年。同時進行可能な部分もあ
るため早ければ全体で10年、ヘッカー氏自身の見立てでは15年はかかるとい
う。

 一見して明らかなように、ここでの基本イメージは一般的な原子炉の廃炉プロ
セスである。しかし、核兵器の脅威除去という意味での非核化は全く構造が異な
る。従ってプロセスも異なる。

 非核化の理想型とされるリビア・モデルでは、2003年12月に独裁者カダ
フィが核放棄を正式表明し、1カ月後には米軍の大型輸送機が、本体から取り外
された中核部品(ミサイルの誘導装置や遠心分離器の駆動装置)を一括して海外
搬出した。

 この時点で核施設とミサイルの無力化は完了したといえる。残りはいわば鉄の
かたまりにすぎず、多少の時間をかけてもよい。

 無論、北朝鮮の場合、核関連物資、ミサイルともにリビアの場合よりはるかに
多い。

 しかし北が本気で協力するならば、核爆弾やミサイル中核部品の海外搬出は数
カ月で完了できよう。最低でも10年はかかるなどという「米専門家」の意見に
従う必要は全くないのである。


見せかけの措置にだまされるな

 ヘッカー氏は、核弾頭の安全な解体は製造した技術者にしかできない(従って
全ての解体には相当な時間がかかる)とも指摘するが、仮にそうだとしても、そ
れら技術者ともどもまず海外に移してから作業すれば、「朝鮮半島の非核化」自
体は速やかに実現する。

 要するに、最大の焦点は、非核化プロセスが脅威の根幹を成す部分から順に除
去していく正統な形を取るか否かである。すなわち、まず核爆弾とミサイル中核
部品の海外搬出、次いで核施設の無力化といった順に進められねばならない。

 ところが逆に、核実験場やミサイル・エンジン燃焼試験場の閉鎖といったいつ
でも再開・再建できる周辺的措置で見返りを得つつ、核爆弾、ミサイルそのもの
はあくまで温存するというのが北の狙う「非核化プロセス」である。

 今、トランプ政権は、国務省主導で過去に何度もはまった罠(わな)に再びは
まろうとしているかに見える。北の思惑通り制裁が緩和されていくなら、拉致問
題解決もその分遠のく。今後、急ピッチで進められるという米朝実務者協議に、
日本政府は明確な意思表示で影響を与えていかねばならない。(福井県立大学教
授・島田洋一 しまだ よういち)

以上



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