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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致問題の最新情勢と新総理に望むこと2(2021/10/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.10.11-2)

■拉致問題の最新情勢と新総理に望むこと2

◆北朝鮮は圧力がない限り譲歩しない

 みなさんのお手元に、岸田総理が決まる前に書いて、決まった後雑誌(「WILL」)
が出たのですが、私が書いたものをお配りしています。そこで新しい政権に求め
ることを考える時に、菅政権で何ができたか、何が足りなかったかの整理をして
おきたいと思います。

 まず菅政権ができたこととして、「最強圧力」、安倍政権がトランプ政権とと
もに作った圧力を維持してきたということです。実はこれがパワーです。北朝鮮
は圧力がない限り譲歩しません。私たちは北朝鮮を相手に国民運動をやってきま
したし、私も40年間北朝鮮研究をしてきた結論です。だから「先圧力、後交渉」
です。

◆金正恩の秘密資金は枯渇

 そして今、これまでにない圧力がかかっていることは事実です。国連制裁で北
朝鮮の輸出の9割がカットされました。北朝鮮は毎年30億ドルくらい輸出して
いたのです。でもコロナの前から国連制裁がかかって、輸出が3億ドルくらいに
なってしまった。27億ドルくらいの収入が減っているんです。年が経てば経つ
ほど収入が減ります。

 しかし、輸入をしないと生きていけない。北朝鮮では石油が取れません。工業
製品も作れない。支払いだけが増えていく。あるいは金正恩氏のぜいたくな暮ら
し、彼はワインが好きで、チーズが好きで、コニャック等を飲んでいますが、そ
れは北朝鮮のお金では買えないんです。

 そういうものを買うのに党の39号室という機関があり、そこが外貨を扱って
いるんですが、党の39号室の外貨を枯渇させることを目的にした制裁がかけら
れて、かなり成功していた。

 去年くらいの話ですが、39号室の外貨がほぼ枯渇している。金正恩委員長の
執務室をリメイクするために、内装のための壁紙とか床にはる板が国産ではでき
ないので、中国から最高級のものを輸入するのですが、外貨がなくて金の延べ棒
で払ったそうです。北朝鮮は金が採れますので金は持っているわけです。

 昔自民党の大物政治家の家から金の延べ棒が出てきたというスキャンダルがあ
りましたが、金の延べ棒で払うくらい外貨が枯渇している。制裁が効いていたわ
けです。

◆米国の圧力が必要

 例えば1994年の第一次核危機の時、北朝鮮は本当に追い込まれて、当時の
アメリカは爆撃の準備までしていました。トランプ政権と金正恩氏がチキンゲー
ムをやっていたような緊張状態がありました。

 しかしその後、金日成が出てきて、「寧辺の核施設を凍結する」と言ったら、
制裁が緩んだ。日本にとっては拉致という重大な課題があったのに、アメリカは
それを議題にも載せないで、もちろん日本も載せてくれとは言わなかったのです
が、制裁が緩んでしまった。それで北朝鮮は一息ついた。

 小泉訪朝の時も、ブッシュ政権が「悪の枢軸」という中に北朝鮮を入れて、
「北朝鮮が核開発していることを戦争をしても止める」と言った。「テロとの戦
争」のターゲットに北朝鮮が入った。

 しかし北朝鮮はアメリカをだまして、アメリカから重油の支援をもらいながら、
94年に「核施設を凍結する」と言っていたのですが、パキスタンから濃縮ウラ
ニウムを作る技術を導入して、濃縮ウラニウムを作っていたんです。その確実な
証拠をブッシュ政権は握ったのです。

 握った一人がジョン・ボルトンさんで、当時国務省の軍縮担当の次官をやって
いて、パキスタンに行って、「核の父」と呼ばれるカーン博士に会っています。
私は直接ボルトンさんから聞きました。

 アメリカから援助をもらいながらアメリカをだまして、アメリカを射程に入れ
る核・ミサイル開発をしていたのです。それを知ったブッシュ政権は、テロとの
戦争の真っただ中だった。自分が戦争のターゲットに入ったと金正日氏が認識し
たからこういう状況になったわけです。

 何度も言っていますが、田中局長の交渉の後、小泉さんが交渉したのですが、
金正日氏から見ると、田中局長や小泉首相の後ろにこん棒を持ったブッシュ大統
領が見えた。だから小泉首相に抱きついたのです。大きく言うとそういう力関係
だったのです。追い込まれたから拉致を認めて5人を返す譲歩をしたわけです。

 しかしそこでも全員は返さなかった。新たに、「8人死亡。それ以外はいませ
ん」という嘘をついた。「拉致はしていない」というのを打ち破るのは大変だっ
たのですが、日本の世論を盛り上げることは私たちがやりましたが、それだけで
はなくて、核問題を巡るアメリカの強い圧力があり、日本の世論があってここま
でできたわけですが、全員救出はできなかった。

◆大陸間弾道弾は完成していないが持つ直前まで来ている

 今北朝鮮は、「アメリカまで届く核・ミサイルを持った」と言っています。し
かし、アメリカや日本や韓国の軍事専門家の多数意見は、「持つ直前まで来てい
る」です。核弾頭を小型化することはできた。

 アメリカまで届くミサイルの発射実験をしました。飛ばすことはできたのです
が、宇宙空間に出た後、もう一度大気圏に入ってきた時、弾頭が割れてしまった。
弾頭の再突入技術の検証だけが終わっていない。終わっていないのに金正恩は、
「完成した」と言った。それが2017年に戦争状態までいった緊張状態の結果
です。

 その後もトランプ大統領は金正恩に、「絶対大陸間弾道弾の実験はするなよ。
したら斬首作戦の対象になるぞ」と脅しているわけです。金正恩はそれは呑んで、
今でも大陸間弾道弾の実験はしていません。核実験もしていません。それ以外の
実験はしています。

 アメリカも、「アメリカ第一」ですから、アメリカ本土を攻撃できる核・ミサ
イルを持つという所まで来たら軍事的な行動もする、斬首作戦も考えるというの
が2017年秋だったのです。

 その強い圧力が今残っていて、その圧力を背景に米朝首脳会談になったわけで
す。それを使って安倍さんは、米朝首脳会談の議題に拉致を載せて、トランプ大
統領の口から拉致を言ってもらうことに成功したんです。

 北朝鮮の核開発は今、止まっているだけで、あるいは大陸間弾道弾の再突入技
術の検証は止まっていますが、それ以外の超高速ミサイルとか、巡航ミサイルと
かの新たなミサイル開発をどんどん進めています。

 アメリカもある所まで行ったら自国の安全を守るために何らかの行動を取らな
ければならない。しかし戦争をするというのは、韓国や日本、あるいは韓国や日
本、グアムの米軍基地に被害が出るかもしれませんから、アメリカも慎重なわけ
です。

 北朝鮮が大陸間弾道弾の実験をしない、核実験をしない間は経済制裁で締め付
けるという枠組みが今できているわけです。それが、先ほど述べたマクシマムプ
レッシャーです。

 菅総理も、それを核だけのために使うということはさせなかったという点で、
マクシマムプレッシャーが維持されるきことが絶対条件なのです。軍事が後ろに
あって、しかしアメリカまで届く核・ミサイルの実験をしない限り、戦争という
手段をアメリカはとらない。

 しかし、経済制裁は効くと思っているからマクシマムプレッシャーをかけてい
るんです。そのにらみ合いはまだ続いている。まだ終わっていないんです。これ
をどうやって活かすかなのです。このにらみ合いのエネルギーを被害者救出に活
かすことができるかの勝負はまだ残っているわけです。だから私は菅総理に、
「頑張ってください」と言ったのです。

 しかし最低条件として制裁を緩めることはなかったということが、菅政権の、
安倍政権から続く功績です。

◆北朝鮮は日本まで届くミサイルを持っている

 二番目は、北朝鮮は苦しくなって、トランプ政権と最初に話をしましたが、そ
れは今は終わりました。まだメッセージを送ったりしていますが、日本を選ぶこ
ともあり得るわけです。

 そうなった時に、日本が拉致被害者救出を優先することを、アメリカに許容し
てもらうことができるかどうかです。日本はアメリカの核の傘の入っているわけ
です。日本は核を持っていないんです。北朝鮮は既に日本まで届くミサイルは持っ
ています。日本は北朝鮮の核の射程内に入っているんです。これは今年の「防衛
白書」に書かれています。日本政府の見解です。

 しかし、アメリカが核で報復する可能性があるので、簡単に日本は撃たれませ
ん。そして日本には北朝鮮のミサイルを打ち落とす防衛システムがあるので、簡
単に日本に打ち込めないのです。

 そういう中ではありますが、拉致問題は人の命がかかっている問題です。核も
拉致も一切動かないので日本政府がなにもしないというのでは交渉が成り立たな
いのです。

◆日朝首脳会談の前に、アメリカの了解が必要

 しかし、人道支援は国際制裁の違反ではありませんから、それを出すからとい
う交渉ができる。しかし、アメリカの了解が必要です。日本にとって拉致問題が
本当に重要な課題であることをアメリカに打ち込む必要があります。

 トランプ大統領はそれを理解してくれました。アメリカにとっては核・ミサイ
ルが絶対に重要なことなのに、その交渉の中で拉致を言ってくれたのです。しか
しバイデン政権になった。菅政権の一番大きな課題は、バイデン政権に、日本に
とって拉致問題が本当に重要な問題なんだということを打ち込むことでした。

 そういう意味で安倍さんから菅さんに代わったことは、この問題だけを考える
と、いいチェンジだったのです。安倍さんはトランプ大統領とあまりにも親しかっ
た。バイデンさんから見ると、「あいつはトランプの友達だ」と見られるのです。

◆国務省要人がブルーリボンバッジを上着につけて菅総理と面会

 そこで菅さんが訪米して、改めて日本にとって拉致問題が本当に重要な問題な
んだと積極的に説明したのです。5月3日の「産経新聞」で、菅総理が「バイデ
ン政権は菅政権が何を望んでいるか、研究に研究を重ねている。北朝鮮による拉
致問題についても、(首脳会談の)少人数会合に同席したブリンケン国務長官、
サリバン大統領補佐官、キャンベル・インド太平洋調整官らが拉致問題解決を願
う『ブルーリボンバッジ』を上着につけていた」と語っています。

 そして、「ブルーリボンは私を含む日本国民が一番喜ぶだろうと考えたのでしょ
う。そういう政権なのだと思いました」と。だから私たちは、ブルーリボンバッ
ジが国際的に知られていることをもっと伝えなければならない。これからもっと
ブルーリボンバッジをつけようという運動をしたいと思っているんですが、菅総
理は、「アメリカがこのバッジを付けてくると日本人が喜ぶ。日本人はブルーリ
ボンの意味を分かっているんだと思っている」と言ったのです。

 そしてこう言っています。「拉致問題の解決に向け、私は条件なしで金(正恩)
氏と会う決意だと改めて話しました。そうしたら、それは当然だという感じで、
反射的に拉致問題の即時解決を求める米国のコミットメントが示されました」。

 バイデン政権は、中国包囲網政策ですが、その中で日本は大変重要な位置をし
めているわけです。その菅政権が拉致を重要視している。だから国務省の人たち
も拉致を重要視していると菅総理は思ったわけです。コミュニケーションはでき
ているのです。

 国務省というのは、島田副会長がいたら詳しく説明してもらえたのですが、本
音では国務省にとっては核問題が大事なんです。拉致問題を言われるのは、問題
を複雑にする。そういう考え方だったのです。

 その国務省がバッジをつけて出てきた。これは、3月に国務長官が来た時に、
横田拓也さんが「バッジを渡しましょう」と提案して、駐日大使を通じてバッジ
を渡したのです。そしてブリンケン国務長官が私たちのバッジをつけてくれたの
ですが、我々が10個渡したものを幹部たちに渡して付けてくれたのだろうと思
います。追加でアメリカ大使館から注文もあったのですが。

 しかし、アメリカが菅さんを研究して、「この人は本気で拉致問題を考えてい
る」と理解した。外務省も繰り返し働きかけをしたくださったのです。その結果、
「日本を、そして菅さんを喜ばせるにはバッジをつけることだ」と国務省が判断
したのです。

◆岸田新総理は就任してすぐバイデン大統領に拉致を訴えた

 岸田新総理も、まず同盟国のアメリカと調整した上で、金正恩と会うようにし
なければならない。これは絶対に必要なのです。そして就任してすぐバイデン大
統領と電話会談をした。そこでも岸田総理は拉致問題の重要性を訴えた。

 菅総理が作ってくれた、日本にとって拉致問題が重要なのだというバイデン政
権の理解を、岸田政権も引き継いでいるのです。これが重要です。小泉政権が訪
朝してうまくいかなかった理由がいくつかありますが、その一つがアメリカに根
回しをしないで北朝鮮と交渉したことです。

◆小泉総理は事前にアメリカの了解をとりつけなかった

 あの時アメリカは、悪の枢軸の一つである北朝鮮を爆撃するかどうかを検討し、
北朝鮮の核開発を止めさせることを考えていたのに、その北朝鮮に対して大規模
な経済支援をすることを約束した。そして「平壌宣言」に「北朝鮮は核開発をやっ
ていない」ことを書き込ませた。そういうことを当時の外務省はやったのです。
アメリカは、「日本は『テロとの戦争』でテロリストの側に行くのか」と怒った
わけです。アメリカからはそう見えたわけです。

 それでアメリカにおいて家族会・救う会の格が上がったのです。そして200
3年に訪米した時は、下院は議長が、上院は議長がいないので院内総務が会って
くれたのです。アメリカ大使館の外交官に説明してもらったのですが、普通、国
の外務大臣が来ても、議長や院内総務には会えないそうです。後は大統領だけで
すが、ブッシュ大統領が我々に会ってくれました。

 アメリカが「テロとの戦争」の中で、テロリストに核兵器を渡すわけにはいか
ない。そのテロ国家に日本が近づこうとしていて、それに反対している家族会・
救う会がアメリカに見えたわけです。評価が上がったのです。

 アメリカと同盟関係を結んでいる日本が、核開発を続けている北朝鮮と日朝会
談をする時は、核問題で圧力をかけている主体のアメリカと事前に話し合いをし
ないと、絶対にうまくいかないのです。

 そのアメリカに、拉致問題は日本にとって絶対に譲歩できない重要なことだと
いうことを理解させる。金正恩委員長が岸田総理なく、バイデン大統領を選んで
も、トランプ大統領がやってくれたように、拉致問題が米朝の議題から絶対に落
ちないようにしなければならないのです。

◆実務者で協議してもだめ

 一方、日朝首脳会談が先に行われる場合は、大規模な経済支援は国交正常化の
後のことです。しかし、人道支援については理解を得る必要があります。韓国は
今人道支援をしたがっていますが、アメリカとの関係があってなかなかできない
わけです。北朝鮮も受け取らないと言っている。そこは事前に交渉しておかなけ
ればならないのです。菅さんはそれをよく分かっていた。岸田さんも分かってい
たので、バイデンさんとの電話会談でそれを引き継いだのです。

 菅さんも拉致対の事務局長も口が堅くて、何も言わないのですが、私が北朝鮮
とつながっているルートと話をすると、日朝の政府間で何かあるのかなあと思い
ます。権力中枢部に(日本の)メッセージが伝わっているという兆候やにおいが
あります。私は民間人だから勝手に言っているんですが。

 とにかく、「首脳会談をやりましょう」と。北朝鮮のような国は、拉致問題の
ような微妙な問題を、実務者といくら話してもだめなんです。知らないんです。
「8人死亡」と発表したら、「8人死亡」ということしか知らないんです。誰が
生きているか、どこにいるか、全体で何人なのかを知っているのはトップだけな
んです。

 その人が命令しない限り、一度「死んだ」と言った人が、「実は生きていまし
た」とは言えないんです。その前に実務者が、「生きている」というようなこと
を言ったら、殺されてしまいます。だからトップ会談しかないのです。先程拓也
さんが言われた通り、「今から調査して調べます」ではないんです。

◆調査はいらない、北朝鮮はすべての拉致被害者を把握している

 もう分かっているわけです。毎週土曜日には、「生活総和」というのがありま
す。それは5人の被害者たちもやっていました。すべての北朝鮮人民が仕事を休
んで、政治学習をします。そして自己批判と相互批判の時間があります。

 労働党の方針に従って私は一週間ちゃんと活動してきたかどうかを、自己批判
と相互批判します。それを仕切るのは労働党の組織指導部から来ている組織秘書
という人です。どこの部署にも組織秘書がいて、その記録が労働党の組織指導部
に上がっていきます。一人ひとりのファイルがあります。どういう発言をしたの
かが書いてある。そのファイルに基づいて、「この人は政治犯だ」となったらと
保衛部が捕まえます。

 余談ですが、友達に元保衛部の人がいますが、「保衛部と組織指導部のどちら
が強いのか」と聞いたら、「何をばかなことを言ってるのか。保衛部は、組織指
導部が、『この人は政治犯だ』と報告したら捕まえに行くだけだ。組織指導部は
権力の中枢中の中枢だ」と。それが生活総和を仕切っているんです。

 それには拉致被害者もみんな含まれているんです。どこに誰がいるか分かって
いるんです。そもそも配給社会ですからね。今主食の配給が乱れていますが、基
本的に配給で食べているわけです。そして職業選択の自由もなくて、党が決める
のですから、誰がどこでどの職業に就いているか記録があるわけです。

◆平壌の200万人の「住民登録リスト」に曽我ひとみさんの名が

 私は平壌の200万人の「住民登録リスト」が売りに出ていましたから買いま
した。USBに入っていました。本物だったのですが、それを見ると、党員か党員
でないかとか、生年月日、血液型とか全部入っています。それを保衛部が管理し
ています。全員のものがあります。

 そして民族欄というのもあります。「日本」でソートできます。すると40人
くらい出てきた。そして、「これは拉致被害者ですから買いませんか」と高値で
言われたのです。調べてみたら全部日本人妻でした。

 しかし、「ソガヒトミ」と出てきた。彼らからすると、曽我さんは旅行で日本
に行っているだけで人民登録は抹消していないんです。そういうのが全国にあり
ます。曽我さんは工作機関の外に出て、一般住民扱いだったからデータにあった
のです。めぐみさんたちは工作機関の中にいます。工作機関や軍人、党の幹部は
このリストにはないんです。別のリストがある。しかしそれぞれ全部あるのです。

 日本の特定失踪者で、どこかで20年ぶりに見つかりましたとかありますが、
日本はそういう社会です。写真付きの身分証明書や、パスポート、健康保険証は
あります。やっと今、番号がついたマイナンバーカードをやり始めましたが、全
員は持っていません。

 北朝鮮ではみんな公民証を持っています。余談ですが、選挙の時に変えます。
97年のことですが、飢餓で300万人餓死した時、中国に100万人くらい逃
げたのです。選挙があると聞くと、みんな帰ります。公民証を切り替えなければ
ならないそうです。持っていないと政治犯になります。もう帰れなくなる。

 私は、「餓死がでているのに選挙なんかできませんよ」と言ったのですが、で
きたのです。配給しなくても、「選挙する」と行ったらみんな帰るのです。それ
くらい完備しているんです。

 調査の必要はないんです。だからトップ会談をする。日本は本気で拉致被害者
を取り戻したいと思っているんだ。北朝鮮をつぶす手段で拉致問題を利用してい
るのではないというメッセージをちゃんと出すことです。多分、安倍さんがトラ
ンプ大統領を通じて伝えようとしたことは、そういうことだと私は思っています。
確認はしていませんが。

◆真相究明と実行犯の引き渡しは後もいい

 安倍さんはこう言っていました。「自分のメッセージをトランプ大統領に託し
た」と。あるいは、「日本の拉致に関する考え方をトランプ大統領に伝えた」と。
トランプ大統領が解決を迫ったのではなく、「安倍がこう言っているからあいな
さい」と言った。それは、「本気で解決しようと思っているんだ」ということで
す。

 その中には、日本の拉致問題解決の定義は、1番目は認定の有無に関わらずす
べての拉致被害者の安全確保と帰国、2番目は真相究明、3番目は実行犯の引き
渡しが入っている。本来なら賠償が入るべきですが、政府は3つを言っています。
その内2と3は、我々は「時差があってもいい」と。

 さっき拓也さんが、「行動対行動」について言いましたが、「行動対行動」で
いい。1を満たしてくれるのならですが。2と3は後でもいい。しかし政府の定
義は3つです。但し、よく考えています。「実行犯の引き渡し」とあります。普
通犯人の引き渡しには命令した人も入りますが、北朝鮮では命令できる人は一人
しかいませんから。本来なら命じた人にも責任があるのですが、日本政府は「実
行犯」と言っている。例えば辛光洙(シン・ガンス)みたいな人です。

 しかし、それについては交渉事でいい、と。しかし、「認定の有無に関わらず
すべての拉致被害者の安全確保と帰国」は譲れない。一括帰国だということです。
安倍政権が北朝鮮に伝えたメッセージを菅政権も伝えた。

(3につづく)


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