拉北者の人権
拉北者とその家族の人権

1.始まり

2.拉北者の現状

3.政府の拉北者政策と我々の要求

拉北者の人権
拉北者とその家族の人権

※この論文は、2005年12月、韓国で行なわれたフリーダムハウス主催の集会に寄せられたものです。

崔祐英(チェ・ウヨン)/拉北者家族協議会代表

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1.始まり

統一研究院が発行する「北朝鮮人権白書2002」によれば、休戦以後北朝鮮に拉致された人々は合計3,790名であり、そのうち現在まで抑留されていることが明らかになった人々は合計484名である。

2000年6月には、歴史的な南北頂上会談があり、これを契機として非転向長期囚らは人権の名の下に全員が北送されたが、拉北者家族達は拉北者らの生死確認さえできていない。さらに悪い知らせは、全世界人権問題専門研究機構が口をそろえて北朝鮮を世界でもっとも人権が剥奪されている国に分類しており、北朝鮮に抑留されている大韓民国国民達は北朝鮮の体制宣伝とスパイ教育など活用価値が高い分野に積極的に活用されているが、利用価値が低下すると政治犯収容所に収監されているということである。このような状況にもかかわらず、大韓民国政府は憲法に明示されている国民保護義務を放棄している。これに対して拉北者家族らは拉北者とその家族達の胸の痛みと要求を国民と政府に伝達することを望み、拉北者家族協議会(Families of Abducted and Detained In Northern Korea)を結成した。

人間のもっとも強い苦痛の一つは、愛する人との離別である。拉北者家族らは短いときは10余年、長くは50年の間、非常に大きな離別の苦痛の中を生きてきた。とくに拉北者とその家族らは無関心がもたらす人権の死角となっている時代に、二重の苦痛を受けている。政府の無関心と消極的な政策によって、別れた家族といつまでも会うことができないかも知れない絶望感を抱いて一日一日を生きているのである。あるおばあさんは婚約した息子が拉北された後、現在までただひたすらに息子に会わなければという思いで一日一日を生きてきたのであり、いつのまにか80歳の峠をやっとの思いで越えてきた。もう残された時間は多くはない。

拉北者家族協議会はおおげさなことを望む団体ではない。ただ拉北された家族の生死確認と帰還を望むだけである。自分の意思とは関係なく拉致された家族らが家族の元に帰り、幸せな生を送ることを祈願する。韓国政府に、そしてまだ拉北者の実態さえ認めていない北朝鮮の政府に正当な人間の権利を要求するだけである。

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