救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー「膠着状況が続 く朝鮮半島情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告



◆困っている北朝鮮がこちらに来る

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)
 今の古森さんと矢板さんの話で、アメリカは圧力をかけて核をやめさせようとしている、中国はその邪魔をしているということですが、その場合にアメリカの今の手段は経済制裁で、特に外貨を枯渇させることにあります。
 北朝鮮の独裁政権を維持するための「統治資金」というのですが、指導者が自由に使える金が、社会主義の計画経済の外にあるんです。その金を管理しているのが労働党の39号室です。
 その39号室資金を使って、これも計画経済の外にある第2経済委員会という軍事問題の組織があり、そこに核開発のお金が流れる。あるいは39号室資金で、軍や党や治安機関の幹部たちに贈り物をします。その人たちには配給をしているわけです。
 90年代半ば以降一般民衆には配給がないんです。それで300万人死んだのですが、その後も配給は復活していないけどもう死ななくなりました。みんな自分で商売して食べているのです。
 国連で経済制裁がかかって一般民衆も苦しいことは苦しいのですが、みんな自分で食べる術を持っています。山で隠し畑をやったり、闇市をやったり、海外の親戚から物や金を送ってもらったり、盗んだり、色々なことをしています。
 実は困っているのは幹部たちです。39号室資金で物資の供給を受けていましたがそれが少なくなった。中国が北朝鮮を裏で支えているというのは一面正しいのですが、金正恩を困らせるためには39号室資金を枯渇させなければならない。
 中国はドルを北朝鮮に与えているかどうか。そこを見なければならない。米は出していますので一定程度のアメは出しています。それで一般庶民は一定程度食べられるわけですが、問題は幹部たちの忠誠心を買わなければならないことですが、そのためには外貨が必要です。
 外貨を稼ぐ手段の一つは貿易です。北朝鮮の貿易の9割は中国が相手です。日本は制裁で貿易を止めましたし、韓国も延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件があったので止めています。2年前の安保理決議で北朝鮮に対する厳しい経済制裁決議が通りました。
 安倍さんが「マクシマム・プレッシャー」をかける必要があると言い、トランプ大統領を説得した側面があった。トランプは習近平を信じて100日待ったけど、やはり安倍の言う通りだということでマクシマム・プレッシャーをかける経済制裁をやった。
 その結果、北朝鮮の輸出の9割が止まりました。北朝鮮は2016年に28億ドル輸出していましたが、2018年には3億ドルになりました。25億ドルなくなったのです。中国も安保理の制裁を守っている。
 もちろん北朝鮮の商人が魚を背中にかついで国境を越えていくということはありますが、北朝鮮の輸出の第一位は石炭で、次に鉄鉱石なのでかついでいけないんです。貨物列車で行かなければならない。それは見張っていますからできない。
 中国がもしも北朝鮮から石炭を買ったら、国連制裁には罰則規定がないのですが、アメリカの強いところは一国でセカンダリー・サンクション(二次的制裁)をかけられることです。
 制裁を破った国の企業とそれを支えている銀行に対してドル取引を停止するという制裁をかけられます。すでに丹東銀行という中国の銀行に制裁がかかっています。中国もアメリカとの取引を停止してまで北朝鮮から石油をかわなければならない理由はないのです。
 その結果、毎年39号室資金が無くなっていく。もちろん中国人観光客がお金を落としているんですが、基本的に人民元を使っています。矢板さんがおっしゃった通り、北朝鮮は今中国人民元経済圏に入ってしまっている。
 北朝鮮の市場ではねぎとか豆腐は北朝鮮のお金で買えるが、靴や服は北朝鮮のお金では買えない。人民元でないと買えないんです。中国人観光客は人民元で遊べるから行くんです。
 今中国は外貨の持ち出しが厳しい。しかし北朝鮮なら人民元で遊べる。そういう構造の中で人民元で日用品が買えますが、ドルが無くなっている。私が得ている情報では今年の春、通常39号室資金は毎年40〜50億ドルあったのですが、今数億ドルしかない。そこまで追い込むことができている。
 だから核・ミサイル実験が止まったままにらみ合いが続けば、北朝鮮は核爆弾の数は増やせますが、貿易で得ていた外貨が減り続け、海外に出ていた労働者は今年12月末までに引き上げなければならない。これまで賃金の9割をピンハネしていたが、それもなくなる。
 安倍さんとトランプ大統領がめざしている39号室資金の枯渇という経済制裁は一定の成果をあげている。「今年年末が期限」と金正恩が4月に言ったのは、多分金正恩の所に、「今の段階でもう数億円しかありません」、「年末を越えたらもたない」という報告があったのではないかと思われます。
 そうなると、今の厳しい緊張関係の中で、「私の言うことを聞かないとミサイルを撃つぞ」、「トランプ大統領は選挙にマイナスでしょう」と言いながら、実は経済制裁で苦しくなっているわけです。
 だから、「見せかけの進展を求めず制裁を緩めなければ困っている相手がこちらにくる。こちらから行く必要はない」というのが私たちの考えです。
櫻井 西岡さんの解説では、北朝鮮を追い詰めることが大事で我々はかなりそれに成功している。小さな取引はあっても大きな貿易は止めている。39号室資金を数億ドルまで減らすことに成功している。後ろに中国がいても、観光くらいで幹部を支えるほどにはなっていない。
 またそれをしても金正恩は中国の言うことを基本的に聞かないし、北朝鮮の核・ミサイルをそれほど悪いとは思っていないということになると、わが国の拉致問題を解決するにはまず、米朝関係が進まなければ日朝関係も進まないという基本構図があるわけですね。
 そういう時、米朝はこれから進むのでしょうか。すべての拉致被害者を取り戻すためにはまずどう動かして、その後に日朝ですが、いま米朝が膠着状態というか、北朝鮮からこけおどしの言動はあるにしても、どうしても険悪な状況にあると思いますがどうでしょうか。


  
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