救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー「膠着状況が続 く朝鮮半島情勢のもとで拉致被害者救出を考える」全報告



◆拉致問題を日中交渉の条件に

矢板明夫(産経新聞外信部次長)
 皆さん、こんにちは。私は2007年から約10年間、産経新聞北京特派員として北京に駐在しました。仕事の中には日中関係だけでなく、中朝関係もありました。これは取材しなければならない重要なテーマでした。
 私が赴任した頃は北朝鮮が核実験をやったりミサイル実験をやったりしており、その度に中国が抗議し、国連での制裁にも中国は賛成していました。一見中国と北朝鮮の関係が険悪になっているように見えるのですが、実際は全然違う特別の関係だと実感したことが多々ありました。
 まず非常に印象に残ったのが、2008年に中国は改革開放30年というのがあり、中国政府があちこちで成果を記者にみせるツアーがあり、私も参加したのですが、他にアメリカやフランス、それから韓国、香港、台湾の記者もいました。
 4〜50人で中国の色々な街を回るんですが、その中に北朝鮮中央通信の記者が一人いました。私たちとはほとんど別行動でした。私たちの相手をしてくれるのは地元の書記というような共産党の幹部ですが、北朝鮮の場合一人の記者のためにもう一人副書記が出てきて、ずっとその人が相手しているわけです。
 北朝鮮の記者と私たちはあまり対話をしないですし、食事も別の所に行くんです。終わってバスに乗って地元のちょっとしたお土産を貰うんですが、北朝鮮の記者はお土産が大きいんです(笑)。それを見ていると、やはり特別だな、と。
 そもそも北朝鮮の記者はジャーナリストではなく、北朝鮮の外交官的な役割もあったと思います。やはり中国と北朝鮮の関係は違うなと思いました。
 2010年から11年にかけて、北朝鮮の金正日という前のトップが、晩年の1年間、かなり頻繁に中国に来ていました。半年置きに3回くらい来ていたことがあり、本人も自分は最後だと思っていて中国に託したいことがあったと思います。それを見てもやはり違うなと思いました。
 一つの国がこんな短期間によく来るなと思っていたら、金正恩になって7年間、全く没交渉になるんです。中朝で何かあったのかなと思っていたら、やはりあまり関係がよくないんです。
 またしばらくして、2018年、首脳外交が再開されます。するとまた1年に3回も4回も来るようになります。やはり北朝鮮と中国というのは親子の関係ですね。でもあまり仲のいい親子ではない。何か起きると頻繁に会わなければならないのだけど、なぜ金正恩が7年間中国に行かなかったかというと、原因はたくさんありますが一つは、金正男という金正恩の兄が中国にいたことです。
 金正男は北京にもマカオにも家があって、中国に長年住んでいて、中国共産党幹部と非常に仲がいいんです。中国国内に金正男擁立論があった。その金正男が生きていると、金正恩は怖くて中国に行けないんです。
 中国に行くと自分が軟禁されて、中国が兄を北朝鮮に連れてきて親中政権を作るのではないかという疑心暗鬼が常にあり、金正男を殺すまでは安心して中国に行けなかった。中国では殺せないのでマレーシアで殺害するんですが、それまで中国では彼の安全を守っていたんですが、殺害された時は中国の警察官がだれもいなかったのです。
 おそらく北朝鮮との間に何らかの合意があり、中国は金正男を見捨てたのではないかという説もありました。確認はできませんが。結果として、金正男が殺されて1年経つと、今度は中朝関係が劇的に回復するわけです。
 米朝首脳会談が2回ありました。2018年の米朝首脳会談の時に、彼はわざわざ飛行機に乗って中国に行った。自分の安全で100%中国を信頼して、中国に行ったと言えるわけです。
 もう一つ米朝の事前交渉ですが、シンガポールで北朝鮮の外務省と労働党幹部が行き、北朝鮮の幹部が時々北京に戻り、北京の北朝鮮大使館から本国に報告しています。
 中国は電話がすべて盗聴されていますので、自国の最高機密を中国に盗聴されてもいいということで、中国を100%信頼しているというポーズなんです。2回目の米朝首脳会談はベトナムでしたが、金正恩はわざわざ電車に乗って、あの広い中国大陸を横断して、片道65時間かけて行くということは、自分の安全を完全に中国にあずけるということです。
 これは飼い犬が飼い主に対してお腹を見せるようなもので、100%信頼して服従しているということです。最近の米朝首脳会談で、北朝鮮が色々なことをしたのですが動かない。
 理由の一つは、中国として北朝鮮をカードとして使って、今の米朝貿易戦争に関して北朝鮮に影響力を行使して、「あまりアメリカの言うことを聞くな」と。この2年間中朝が急接近して完全に北朝鮮が中国の影響下に入っていると言えると思います。
 そこで私が思うのは、日本にとって一つのチャンスだということです。中国の習近平国家主席が来年春に国賓として訪日することを希望していることです。中国は今、米中貿易戦争や香港問題で内政も外交もうまくいっていない。そこで日本に急に接近してきている。中国の方が頭を下げてきている。
 そこで日本は拉致問題の前進を中国との交渉の条件としてぶつけるべきだと思います。私自身は「国賓」としての訪日には反対の立場を書いていますが、一般の公式訪問なら隣国ですからあっていいと思います。そして今北朝鮮は中国の言うことを聞いているわけですから、拉致問題の前進を条件としていいと思います(拍手)。


  
■ サイト内検索 ■


■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ アニメ「めぐみ」 ■ 

■ 書 籍 ■