救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

全員救出:今年にかける家族の思い−1/27連続集会報告4(2011/02/03)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(23.02.03-4)

■全員救出:今年にかける家族の思い−1/27連続集会報告4

◆自衛隊が「いざ」という時に備え準備を
島田 少し補足ですが、菅さんはふらふらと立場を変えつつ、できるだけ長く首
相官邸に居座りたい、ただそれだけの人間ですが、実際に救出活動に携わる自衛
隊員は命がけで行くわけです。従って自衛隊の人々が普段から、例えばこうした
家族会の人々の話を聞いて充分モティベーションを高め、また西岡さんあたりか
ら最新の朝鮮半島情勢を聞いて、的確な状況認識も得た上で入っていくことが望
ましい。ところが、先ほど本間さんが指摘されたように、北沢防衛大臣が、民主
党の批判をするような講演会を聞きに行くことを牽制するきわめて浅はかかつ浅
ましい通達を出させた。単に、自衛隊の施設において都合の悪い人に話させない
というだけでなく、それだけでも問題ですが、外部の反民主党的な講演会に自衛
隊員が行くことも隠微に規制する内容です。

いま話を聞いていて、本間さん、増元さんがしゃべるこの会は、明らかにブラッ
クリスト入りだなと感じました。(笑)実際、自民党の世耕参院議員が昨年、北
沢大臣に対し、「例えば櫻井よしこさん。彼女は必ず民主党政権を厳しく批判し
ます。櫻井さんの講演を自衛隊員が聞きに行ってもいいんですか」と質しました。
北沢大臣は、いかにも彼らしい、頭の悪そうな答えでしたが(笑)、「櫻井さん
のような国民的にも高名な方に関しては、何とも言えません」と(笑)。「何と
も言えない」とはどういう意味なのか。これを聞いた自衛隊員は、「北沢が何を
言いたいのかよく分からないが、どうも行かない方が無難みたいだ」と思うでしょ
う。

現に、西岡さんにも今から証言してもらいますが、昨年の暮れあたりから、西
岡さんに対する自衛隊関係の講演依頼がきれいに止まったそうです。他にも例え
ば、櫻井さんとともに国家基本問題研究所を率いる副理事長の田久保忠衛先生の
ところにも講演依頼が来なくなったと聞きました。大臣に言われるままに規制に
走る事務方のトップも情けないですが、こんな具合に自衛隊の人々を、すぐれた
論客から遠ざけて、いざという時のモティベーションが高まるのか。極めて問題
だと思います。徹底的に国会で追及してもらわねばならないし、我々もバックアッ
プしなければいけないと思います。

西岡 私にそんなにしょっちゅう講演の依頼があるわけではないのですが、今頃
の時期に1回来ていた以来が今年は来ていないのは事実です。9月に1回北海道に
は行きましたが。それはさておいて、12月10日のセミナーには仙谷官房長官が出
てきて、司会者の櫻井さんに厳しい質問を浴びせられていましたが、我慢してい
ましたね。

島田 我慢というか、後で櫻井さんに聞いた話ですが、会場1階でエレベーター
乗ったところ、後から仙谷がSPに囲まれながら入ってきた。櫻井さんに気づい
た仙谷は、一瞬さっと会釈して、あとは目を合わせないようじっと下を向いてい
たそうです(笑)。普通、政治家なら、「いやあ、いつも厳しいお叱りを頂いて
います。私なりには勉強させてもらっています」とか何とか、適当に自分のペー
スに持っていこうとするでしょう。

「あんな頼りない、ただ俯いているだけの男が、中国に対抗できるわけがない」、
櫻井さんはそう言っていました(笑)。若い新聞記者には偉そうに突っかかるが、
櫻井よしこの顔を見ると俯いてしまう、そういう手合いが政権の中枢を占めてい
るわけです。

◆防衛大臣も聞いた「急変事態対応」
西岡 自衛隊の救出の話に戻しますが、このことについてはもう一つ材料があり
ます。民主党政権になってから、政府の拉致政策についてウォッチしてきたわけ
ですが、担当大臣はそのまま維持されました。自民党政権時代にずっとあったわ
けではなく、安倍政権になって作られたものです。それ以前はなかったのです。
本来ならば、遅くても2002年に北が拉致を認めた時から担当大臣を置くべきだっ
たのです。1978年に、日本政府は拉致があることが分かっていたわけですから、
その時に拉致担当大臣を作るべきだったのです。あるいは、少なくとも1988年の
梶山答弁の後ですね。それが、金正日が拉致を認めた4年後に、安倍政権になる
までできなかったのです。

対策本部事務局はそれまでは、家族支援室、つまり家族を支援するところしか
なかったのです。それが対策本部になり、政権交代があっても、一応変わらなかっ
た。ただ、すべての閣僚が入る対策本部から、総理、官房長官、担当大臣、国家
公安委員長と4人に縮小されました。だから、増元さんが言った、文部科学大臣
に拉致の観点から考えてほしいと言っても、文科相はメンバーではない。安倍政
権の時はすべての大臣が入っていましたので、すべての省庁から、拉致対策につ
いて何をやるかについてのテーマが出ていて、それが発表されていました。その
点では、体制が弱まったとも言えます。

一番問題だと思ったのは、方針がなくなったことです。安倍政権の第1回の対
策本部会合で、拉致問題に関する対応方針6項目を決めました。ところが、鳩山
政権ができた後、その方針を廃止して、新しい方針を作らなかったのです。前の
方針の中には、「対話と圧力」、「特定失踪者」という言葉が入っていたり、
「厳格な法執行」といって、朝鮮総連に対する厳しい取締りなども入っていまし
た。もちろん、経済制裁と追加制裁を検討することも入っていましたが、それが
なくなったのです。

しかし、中井大臣を引き継いだ柳田大臣が国会で、事実上不備を認める発言を
し、作る準備をしていて失言問題で辞められた。どうなることかと心配しました
が、仙谷官房長官が兼任になった時に、準備されていた通りだと思いますが、11
月29日、民主党政権としての新たな方針に当たるものを8項目作りました。自公
時代より多くなったのです。そしてほとんど自公時代に入っていたものが入りま
した。

方針があったからといって、やるかどうかという問題があるわけですが、しか
し方針をなくしてしまうのに比べれば、マイナスがなくなったといえると思いま
す。8項目目に「その他拉致問題の解決に資するあらゆる方策の検討」というの
が入りました。「あらゆる方策」とは何なのか。対策本部のメンバーである4人
の大臣以外にも、必要に応じて他の大臣も呼ぶことができる、と書いてあったの
で、11月29日には、「必要だ」としてすべての大臣を呼んだのです。結局、その
点も自公時代に戻した感じです。

すなわち、防衛大臣もいる所で、8項目目について、東副大臣が「急変事態に
関する対策」という意味のこともここに含まれるという説明をされたということ
を、間接的に聞いています。つまり、「その他」の中に入っているわけです。政
府も、少しずつですけれども、急変事態の時に救出をしなければいけないという
問題意識を持ち始めています。それくらい、総理や官房長官の所に入ってきてい
る情報が、緊迫しているとも言えるのではないかと思います。

◆自衛隊を使う法的根拠がない−特別措置法が必要
しかし、その割にはスピードが遅い。「あらゆる方策」をしろと、防衛大臣に
まで命令をしたのですから、防衛省は何ができるのか、本来検討すべきなのです。
もしかしたら秘密でしているのかもしれません。こういうことも本来秘密にすべ
きことであるかもしれませんが、全くその気配が伝わってきていない。

そしてそういうことを検討すると、すぐでてくるのが、自衛隊を使う法的根拠
がないということです。自衛隊と他の国の軍隊との一番大きな違いは、自衛隊は
法的根拠があること以外できないということです。これは防衛問題の専門家から
色々な話を聞いているのですが、専門的な言い方では、ネガリストとポジリスト
という言い方をするのです。普通の国の軍隊はやってはいけないことが決まって
いるのです。住民を虐殺してはいけないとか、捕虜を虐待してはいけない、とい
うことです。それ以外は何をやってもいいんです。それが主権の行使組織である
軍隊です。

しかし、自衛隊は憲法9条のもとにありますから、これが任務だと書いてある
ことしかできない。警察がそうです。警察と同じ仕組なんです。だから海外に出
て行くためには、例えばインド洋で給油をするためには、そのための特別措置法
が必要です。イラクに出て行くにはそのための特別措置法を作らなければならな
い。

海外の法人を輸送するための規定は自衛隊法にあります。自衛隊の任務の一つ
で、「海外にいる邦人の輸送をする」と書いてあります。しかし、輸送しか書い
てないので、保護はできない。そして輸送も、安全が確認されているところにい
る邦人を迎えに輸送機が行く、とされてあります。北朝鮮に緊急事態が起きて、
拉致された日本人が丸々地域にいると分かった時に、安全が確認されるまで行け
ないわけです。安全が確認されたとして行ったとしても、目の前で危ないことが
あっても、保護をしてはいけないんです。できることは、正当防衛の範囲の中で
隊員が自分の身を守ることだけになっています。

だとするなら、総理が言うように、助けに行くのなら自衛隊法の任務に、海外
邦人の保護と救出を書き込むのか。それが一つのやり方です。それをやると日本
人がいるところはどこでも行けるようになるから海外派兵への道が開かれるとい
う政治的議論があるのなら、我々が要求している、特別措置法を作ってほしいと
いうことです。

北朝鮮で、それも大混乱が起きた時に、被害者の身に危険が高まる時、つまり
北朝鮮混乱事態時拉致被害者等救出特別措置法を作ってほしいと言っているわけ
です。

既に自民党ではこの議論が始まっていて、これは我々が自民党にも申し入れを
したことも影響していると思いますが、それを古屋圭司先生たちが真剣に考えて
くれていて、自衛隊法の改正案を秋の国会に、自民党は自民党案として提出した
のです。これは北朝鮮だけではなく、すべてに適用できるように任務として書き
込もうというものです。そこでは救出とは書いてない。保護と輸送ができるよう
にする。そして安全が確認されなくても保護に行ける、というところまでの法律
です。しかし、一切審議されないで、おわってしまった。

その問題については、12月10日、我々が菅総理にあった席に、平沼赳夫拉致議
連会長、松原仁議員、山谷えりこ議員が同席していらして、総理がああいうこと
を言ったのだから、自民党も改正案を出しているし、今度の国会で民主党の案を
出して貰ってやりましょうよ、と話が出た。しかし、その後動いている様子はな
い。

◆朝鮮学校への国庫補助−国際支援の訴えに利用される
島田 昨年12月10日の菅首相との面会の場には、平沼赳夫拉致議連会長もおられ
たし、民主党の松原仁衆議院議員は、「総理が明確に言質を与えた」とその場で
念を押してくれた。菅さんが動かなければ、しっかりと与党内部からも追及して
もらいたい。菅さんがこういう約束をしたと多くの人間が証言できますから、野
党にはもちろん国会でどんどん追及してもらいたいと思います。

もう一点、菅さんとの面談の場で、他の行事のため出席できなかった増元さん
の手紙を奥さんが読まれました。その内容は、朝鮮学校の無償化に関し、国際情
勢の変化、つまり北朝鮮が韓国を攻めたから手続きを止めるというのは理屈とし
てはおかしいじゃないか。判断の基準として拉致問題が上位にくるべきなのにど
うなっているのか、という趣旨でした。

それを受けて、菅首相は、「今の増元さんの趣旨を一つの有力な意見として検
討させてもらう」と述べました。無償化すなわち朝鮮学校への税金投与について
は、3月末までに予算の執行をしないと、予定のお金が出せない。だから文科省
の役人は早く出したくてしょうがない。なぜ出したいのかよく分かりませんが、
とにかく危うい状況になりつつあると思います。高木文科大臣も、早く出してし
まいたいという思いが全身に現われていますね。

北朝鮮が、「前原外相の話し合い姿勢を評価する」と声明を出した理由の一つ
は、無償化問題で日本に早く金を出させようということでしょう。せっかく日朝
対話の雰囲気が生まれつつあるのに、日本政府があくまで朝鮮学校だけカネを出
さなければすべてが壊れてしまう、前原さんは大きな機会を逃しますよ、という
わけです。北朝鮮からそういうメッセージが送られると、外務省などは体質的に
極めて弱いと思いますね。朝鮮学校にカネを出すといったって、ほんの数億じゃ
ないか。そのくらい出して対話の門が開けるなら、ひいては拉致問題の進展にも
役立ち……とか何とか言うのが必ず出てきます。

これは原則問題ですから、ここでもし日本がカネを出してしまえば、例えば北
朝鮮は第三国に対し、格好の説得材料に使ってきますよ。「最も朝鮮を敵視する
あの日本ですら何だかんだ言いながら結局援助のカネを出しましたよ。お宅もお
願いしますよ」というわけです。だから断固として出してはいけません。

◆拉致を理由に手続きを止めるべき
西岡 朝鮮学校の問題を報告して今日は終わりたいと思います。朝鮮学校に対し
ては、まず高校無償化という政策が決まり、公立学校は授業料全額政府が持つこ
とになった。私立学校については、全額ではなく公立学校の授業料に相当するく
らいを出す、ということが去年の4月からスタートしました。

しかし、外国人学校をその範疇に入れるかどうか。当時中井大臣は、朝鮮学校
に入れるのは反対と言われ、後論がありました。そこで外国人学校の中でも4月
からお金を出すところと出さないところに分けたのです。外国人学校にもいくつ
かの種類があり、一つは日本の法律上高校だと認められているところ。民団の学
校などは、日本の学習指導要領から見ても、日本の教科書をだいぶ使っています
し、施設の面から見ても高校と認められています。いわゆる学校教育法上の1条
校と言われます。そこには出す。2つめのカテゴリーで、日本の高校ではないけ
れども、国際的な教育機関から高校として認められていて、卒業すれば日本の大
学に入ることが認められているようなインターナショナルスクールやアメリカン
スクールなどは出す。

しかし、それでもないもの、大使館がなくて、その実情も確認できないものは、
確認するまで出さない。これが3つ目のカテゴリーです。これが朝鮮総連の学校
です。どのような基準で金を出すか出さないかを決める専門家委員会を作った。
この委員会は内容も秘密にして8月末に、「教育内容は基準にすべきでない。外
形的な時間数や何歳の子が学んでいるかだけでお金を出すか出さないかを決める」
という基準を決めました。

この時、さすがにそれはひどいじゃないかと。教育内容を問うべきで、その中
で朝鮮総連と学校との一体性、北朝鮮と学校との一体性を問うて、そういう中で
拉致問題に悪影響があるかないかをきちんと検討してほしい、という声明を、我
々は出しました。

民主党の中でも反対の意見が出て、専門家委員会は基準を決めましたが、それ
を政府の基準にはしないで、民主党で検討すると。党内で検討したのですが、当
時の民主党は「差別しちゃいけない。出すべきだ」という人が多数派で、その基
準が受け入れられたのですが、それに留意事項が付けられた。教科書の内容に問
題があるという声もあるので、日本政府の常識や国際社会の常識に反する教育が
行われていないか調べるという留意事項を相手に言うことができる、と。そして、
直したかどうか結果を聞くことができる、と。しかし、「できる」と書いてある
だけで、それはお金を出すか出さないかの条件じゃないんです。微妙な書き方に
なっています。

11月にそれが基準に決まった時、その直後に我々は高木文科大臣と面会しまし
た。「教科書の内容について留意事項がついているのだから、お金を出すことを
決める前に、教科書を調べますよね」と。そして何回も言っているように、朝鮮
学校の教科書では、拉致問題について、「日本当局が拉致問題を極大化して、反
朝鮮人騒動を展開してきた」と書いてあります。事実上、朝鮮人差別をしたと書
いてあって、「拉致を認めて謝った」と書いてないんです。「この部分について
は問題ですよね」と言ったら、大臣は「問題だ。取り上げる」と。そして、「変
わったか変わらなかったか報告を受ける」と言いました。

我々はその時に、「もしも拉致問題が反朝鮮人騒動で、我々がこういう運動を
やっていることが朝鮮人をいじめていることだということを、公然と教科書で教
えているのに日本から税金が入ったら、日本政府は拉致問題を重視しないと金正
日は思うだろう。そしたら絶対交渉は進まない。だから座り込みをしても反対し
ます」と言ったわけです。

そしてそのプロセスがどうなるかと思っていたら、延坪島事件が起きて、お金
を出すかどうかの調査の手続き停止しちゃったのです。そして今に至っている。
そこで増元さんが言う通り、「朝鮮学校への補助においては、教育内容は問わな
い。拉致問題は問わない」と言ったのに、延坪島事件が起きると手続きを停止し
た。事件が学校と関係があるのか。何の証明もされていないのに、北朝鮮軍が行っ
たことで学校への補助の手続きを止めた。では北朝鮮軍が行った延坪島攻撃は、
日本にとって手続きを止めるほど大きな問題で、北朝鮮の工作機関が行った拉致
はそれより小さな問題なのか、というのが増元さんが総理宛に書いた手紙です。

それは救う会のメールニュースに全文載せています。平沼赳夫先生をはじめそ
こに出席していたほとんどの人たちが、「大変理路整然としていて説得力があっ
た」と言っています。

しかし、では今後どうなるか、ということです。今の所はまだ手続きは止まっ
ています。しかし朝鮮学校は審査書類を出しています。基準を決めて書類を出さ
せておきながら手続きをしないというのは法令違反だと言って、朝鮮学校が法律
に基づいて手続きを開始するよう求めました。

それに対して、20日以内に文部科学省は手続きを再開するか、あるいは手続き
を止めている理由を示さなければならない。それが2月6日くらいです。そこで何
が出てくるか。手続きスタートがありえるかもしれない。文部科学省に聞くと、
首相官邸の指示を待っていると言います。官邸が止めろと言ったのだから官邸の
判断だということです。官邸が判断する時は、当然拉致問題対策本部の判断を聞
かれるわけで、中野大臣がどこまでがんばれるのか。その時に、そもそも延坪島
事件を理由にして手続きを止めたこと自体が間違っていたわけで、拉致で止める
べきだったと担当大臣として是非言ってもらいたいと思うわけです。

◆教育内容を問わない神奈川方式、東京・大阪は停止
そうしたら、神奈川県が変なことをした。神奈川県の知事は延坪島事件は関係
ない、外交問題と教育は一緒にしない、としたうえで、教育内容は問題とすると
して知事本人が学校まで乗り込んで、実際に教科書を見たりして、そして神奈川
県なりの基準を作ると言って、12月15日にそれを発表しました。

拉致に関する記述について、朝鮮学校は、「日朝平壌宣言において、拉致問題
が公式に認められて以降、朝鮮学校の生徒をはじめ、在日朝鮮人が様々な嫌がら
せを受けたことを書いただけだ」と言い、「今後は教科書の見直しを働きかけて
いく」と言ったと、神奈川県の報告書に書いてあります。神奈川県はその説明を
よしとして補助金支出を決めた。このまま教科書を使っていい、お金を出す、と
いう基準を決めてしまった。

3年後に教科書の改訂があると朝鮮学校は言っていますが、3年間はこの教科書
がそのままでもいい、ということです。その上、学校側は「見直しを働きかける」
と言っています。「書き直す」とは言ってない。それなのにお金を出すという方
針を決めてしまった。

特にごまかしがひどいのは、朝鮮総連が言っている弁明をそのまま報告書に書
いていることです。拉致に関して教科書は、「日本当局は、拉致問題を極大化し、
反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることによって、日本社会には極端な民族排他
主義的雰囲気がつくりだされた」と書いているのですが、学校側はその主語の
「日本当局」という部分を外して、「拉致問題を極大化し、反朝鮮人騒動を大々
的に繰り広げることによって、日本社会には極端な民族排他主義的雰囲気がつく
りだされた」という訳文を示して、いじめが起きているということを言ったのだ。
神奈川県もその訳文をそのまま引用することによりごまかしに加担している。

しかし、教科書原文では日本当局が主語です。日本当局が拉致問題を極大化し
たということです。具体的には政府が、拉致担当大臣を任命したこと、対策本部
を作ったことが「排外主義を煽った極大化」として誹謗されているのです。政府
主催の集会をやっていることも非難されている。日本当局が主語だから、そうと
しか読めない。それなのに、朝鮮学校がもってきた主語のない翻訳をそのまま引
用して、彼らの言い分をそのまま受け入れてしまった。

もしかして文部科学省にとっては、「神奈川方式」は渡りに船だったかもしれ
ない。朝鮮学校が問題記述を3年後に変えるよう働きかけると口頭で約束しただ
けでお金を出す条件は整ったとする前例ができたからです。それを政府や他の自
治体が受け入れたら大変なことになってしまいますので、神奈川県が主催する拉
致の集会に、家族会・救う会への後援依頼があったのですが、それを断りました。

ところが今度は、東京都が頑張った。東京都は今年度予算の執行を停止しまし
た。予算は前年度に決まるわけです、朝鮮学校への予算は議会を通過しています。
しかし、予算執行のための付則があって、これを改正しました。これは付則だか
ら議会にかけなくていい。そして、「都議会の中で議論がある間は、出さない」
としました。「都議会の中で議論」というのは、自民党の古賀俊昭先生と民主党
の吉田康一郎先生が議会で、朝鮮学校への都からの補助について問題を提起され
たからです。それで石原知事主導で、「反対だ、という議論が都議会の中である
間は出さない」ということにして、付則を変えてしまったのです。

今、東京方式と神奈川方式があります。どっちが多数派になるか。文部科学省
はどうするのか。大阪も止めています。大阪は独自の基準を作っていて、「金正
日の肖像画を外しなさい、現代史の授業を正規の科目から外しなさい、朝鮮総連
との一体化をやめなさい」と、ものすごく厳しい基準です。それ以外の所では、
兵庫県などもうお金を出すことを決めているところもあります。

去年は自治体から約8億円出ています。今年は、その一部が止まった。そして
今年の分の高校無償化にともなう国庫補助2億円の方はまだ止まっている。こう
いう状況で、間違ったメッセージが北に発せられないように、少なくとも拉致に
関する教科書の記述がなおらないのに、お金が出てしまうということは絶対避け
なければいけないと思っていまして、これについては繰り返し訴えていきたいと
思いますので、継続してご関心をもってくださるようお願いいたします。

島田 もし政府が無償化を強行する場合には、座り込みを行う(拍手)というこ
とで、家族会も意思統一しておられますので、我々もしっかり準備しておきたい
と思っています。

司会(平田事務局長) タイから海老原智治さんが来られていますので、一言ご
挨拶を。

◆国際連携で追い込む
海老原 タイの状況を簡単に報告させていただきます。タイは、ご承知のように
拉致被害者1名が身元確認されています。アノーチャー・パンジョイさんです。
これ以外にもいるであろうとの予測のもとに動いていますが、タイ政府が確認し
ているのは1名だけです。タイの特徴の一つは、北朝鮮当局に対して、拉致被害
者を帰還させるための交渉を行っているのは、日本、韓国とタイ、この3か国し
かないということです。タイが国レベルで交渉しているということは非常に重要
な意味を持ってきます。国際連携でも中核的な一つにならなければならないと思
います。

そのような状況ですが、まだまだアノーチャーさんの帰還はかないません。最
近の状況では、昨年の4月に、タイ政府は北朝鮮に対し、アノーチャーさんの帰
還の交渉とまではいきませんが、再提起をいたしました。やはり回答は従来どお
りでした。5年前にジェンキンス・曽我ひとみさんの証言でアノーチャーさんが
北朝鮮にいるということが分かった時、タイ政府はすぐに北朝鮮に問合せました
が、「そのような人物は北朝鮮の領土内には存在しない」がすぐ戻りました。昨
年の4月も同じような回答でした。要するにこの5年間、全く進捗がなかったわけ
です。

そのような状況にあるからこそ、国際連携でどのように追い込んでいくかがま
すます意味をもってきています。タイでは、有識者や被害者家族と連携して、各
種のアプローチを続けていますが、その中でも日本には拉致被害者の最も充実し
た情報が蓄積されていますし、また政府にもそれを実行する少なくとも枠組みは
ある。それが使われないでいるのは、世界の拉致被害者にとっても極めて残念な
状況であると思います。

日本がこの問題のリーダーシップを取り、韓国、タイなどと組んで、いっそう
解決に追い込んでいくことが、今年の大きな課題だと思います。これからも宜し
くお願いいたします。

◆2/16金正日の悪行糾弾集会
西岡 最後に、2月16日の集会についてご案内します。今年の活動の一つの柱は
北に働きかけるということで、去年から韓国の運動体と連携して風船ビラを大々
的に北朝鮮の中に送り込む活動を開始しました。特に拉致問題について、「被害
者に危害を加えたら、我々は絶対許さない。逆に被害者を助けることにつながる
情報をくれれば報奨金を出す」というビラを北に送り込む運動をしてきました。
家族会・救う会だけではなく、他の北朝鮮人権NGOである「守る会」や「NO 
FENCE」と一緒になって、「対北風船ビラ日本実行委員会」を作っています。お
金もカンパを集めて、韓国に行って何回か飛ばしてきました。

今は冬で北風なので飛ばせませんが、春になったらまた大々的に飛ばす予定で
す。韓国で風船ビラ飛ばしが始まって、我々はそれに合流したのですが、韓国で
その運動をやっている国民行動本部、これはある時は20万人を動員する集会をやっ
ています。盧武鉉政権の親北政策と戦った団体です。盧武鉉政権の大統領秘書室
長に「彼らに負けた」と言わしめたくらいの力を持つ、良心的な自由民主主義を
標榜する団体です。

その人たちが北朝鮮の住民に真実を伝えようと、そして北朝鮮が海の魚雷を発
してくるなら我々は空の魚雷、つまり人殺しではなく真実を伝えることで報復を
しようということで運動を始めています。その運動をやっている本部長の徐貞甲
(ソ・ジョンガプ)さんと、それを支えているジャーナリストの金成●(●=日
の下に立、キム・ソンウク)さんが日本に来てくれます。

2月16日にここ(文京区民センター)でやります。2月16日は金正日の誕生日で
す。その誕生日に東京で、「金正日の悪行を糾弾し北朝鮮人民に真実を伝える
2.16日韓連帯集会」をやりたいと思います。先ほど本間さんも韓国を説得しなけ
ればならないとおっしゃいましたが、実は国民行動本部は、私たちがビラ飛ばし
に行ったら、日の丸を準備していました。「日本から来たんだから日の丸を持て」
と言われました(笑)。「日韓米が連携することが北朝鮮にとって一番嫌なこと
なんだ」と。「だから我々はそれをやる」と言ってくれました。

歴史問題などがあるわけで、韓国では私は右翼の大物(笑)ということになっ
ていまして、私と一緒にやっているのはけしからん。何で西岡みたいな反動分子
と国民行動本部が一緒にやっているんだと、デモがきたり、抗議がきたりしたそ
うです。徐貞甲本部長は、マスコミのインタビューの中で、「西岡は意見が違う。
竹島や教科書、従軍慰安婦で意見が違うが、それは日本人なのだから当り前じゃ
ないか。ナチスドイツと戦う時、アメリカはスターリンとさえ手を組んだ。金正
日と戦うためなら私はスターリンとだって手を組みますよ」、と。

つまり、意見が違ってもいい、と。「私はスターリンほど悪い奴じゃない」と
(笑)後で本部長に電話したのですが、「国が違えば意見は違ってもいい。しか
し、当面の敵は金正日政権だ。拉致被害者救出にも協力する」と言ってくれてい
る、韓国の保守団体があるのです。その団体は、

「日本の自衛隊が韓国と一緒に北に行って被害者を助けるのは当り前じゃないで
すか。やりましょう」と言っています。

混乱が起きた時に、韓国軍と米軍の協力をえなければ助けることは絶対できま
せんから、そういう点でも日韓の連携が必要で、その運動の中心となっている人
を招き、家族会・救う会など4つの団体だけでなく、荒木さんの特定失踪者問題
調査会と加藤さんの難民救援基金も協力団体に入ってくれます。6団体が集まっ
て2・16集会をやりましょうということになりました。

そして民団の副団長、もしかしたら団長が来てくれるかもしれない。そして、
統一日報という在日韓国人の良心的な新聞があるのですが、そこが後援してくれ
ます。民団は、朝鮮学校への支援は反対です。ホームページに声明が出ています。
「基本的には差別をすべきではないが、教育内容がおかしすぎる」と我々と同じ
ことを言っています。

そういう点でも、なるべく味方を増やしていきながら、被害者を救出したいと
思います。満員にしたいと思いますので、2月16日18時半からですが、日韓連帯
集会に是非多くの方々に集まっていただけるよう、ご協力をお願いいたします。

以上

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]https://www.kantei.go.jp/k/iken/im/goiken_ssl.html?guid=ON

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 菅 直人殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2017/06/28
オットー・ワームビア氏の死を受けて(共同声明)
2017/06/28
北朝鮮は今どうなっているのか−東京連続集会報告5
2017/06/27
めぐみさん死亡状況の説明と証拠捏造を企画した北朝鮮の責任者が処刑−自民党拉致対会合
2017/06/27
北朝鮮は今どうなっているのか−東京連続集会報告4
2017/06/26
北朝鮮は今どうなっているのか−東京連続集会報告3

■ 過去のメールニュース ■

  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■

国民大集会「もう我慢できない。今年こそ結果を!」
「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
千代田区
日比谷公園1-3