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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

流動化する北朝鮮情勢と救出戦略−12/10国際シンポ全記録3(2010/12/22)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.12.22-3)

■流動化する北朝鮮情勢と救出戦略−12/10国際シンポ全記録3

櫻井 どうもありがとうございました。島田さんのご指摘も非常に興味深いもの
でしたが、日本が日本人拉致被害者を救うためには、やはりどこの国に頼るのも
基本的にはおかしいんですね。日本政府が助けにいかなければならないわけで、
そのことについて、私たちは韓国の理解と協力を、是非事前に調整して確かなも
のにしておかなければならないと思いますが、許先生、洪先生、この件について
どう思われますか。

私たちは、日本の自衛隊が北朝鮮といえども、いわんや韓国に入ることについ
て、朝鮮半島の人が非常に心配というか、抵抗するのではないかと恐れています
が、いかがでしょうか。

◆反対勢力がいるとしても心配だけしてはならない、果敢に行動すべし
許南▼ 私は日本料理が大好きで、また日本人に似ているからか、私は家でも親
日派なのですが、ここでもまた親日派と言われたようです。荒木教授が心配され
た内容は十分に理解できます。それについて、こうだ、ああだと方法論を話すこ
と自体が簡単ではないと思います。

私の答えは以下の通りです。難しいと言って心配ばかりしていいものなのか。
反対する人もいれば、明らかに賛成する人もいる。我々が何かしようとする時は、
反対する人を説得することも大切ですが、しかし志を同じくする人とともに立ち
上がることが必要です。私が大統領になれば一生懸命協力いたします。

中国人拉致問題を島田教授が話されました。中国はご承知のように、公式の人
口が13億、戸籍にない人が1億。ですから何百人かいなくなっても関心がないの
かもしれません。私は1992年、韓中国交の時に、盧泰愚大統領の随行で北京に行っ
たのですが、その時、北京の朝の自転車を見て、この自転車の車輪の回転が地球
を廻してしまうのではないかというほどの規模でした。

もう一度強調しますが、反対勢力がいるとしても心配だけしてはならないので
す。行動が必要な時は、果敢にしなければならないということです。既に皆さん
の行動が、相当の予防効果を発揮したと思っています。ですから勇気を失わない
で行動しましょう。

◆韓国の反日の議論は、「感情」の問題ではなくイデオロギーの問題
洪 荒木先生の指摘は、韓国の現実の一部を指摘しています。私は色々な機会に、
いわゆる韓国の親日、反日の議論は、実は「感情」の問題ではなく、イデオロギー
の問題だと言ってきました。例えば、日本との協力の姿勢を持つ人を親日分子と
呼ぶのは、これは明らかに共産主義イデオロギーによって作られたものです。だ
から、先ほど死ぬかもしれない病気を風邪薬で治せるのかという話がありました
が、私は、感情問題でない問題を感情論として取り上げ、親日・反日議論に発展
させたのは、これこそ平壌と北京の仕業だったと思います。

例えば、韓国で左翼と戦っている人々は、つまり自由統一を目指す人々は、ア
ジア全体に自由を拡大するという姿勢です。日本と韓国を分断させるために、感
情論など色々な方法で(日韓)両国の摩擦を引き起こそうとする目論見こそ、
(救出運動の)戦いの対象にすべきだと思います。

中国は漢族が多いものの、明らかに多民族国家です。そういうところが一つの
国になるためには、アメリカのように、一つの大きなイデオロギー、価値観が必
要です。今までは中国側は(改革開放の)中国式共産主義で食糧問題を解決するな
どとやってきましたが、そこに我々が堂々と自由民主主義を訴える活動を、日韓
が共同でやることには、私は何の問題もないと思います。

それから、よく民族主義を言う人々がいますが、私が見るには、実はその中に
は人種主義者もいます。私は今までソウルで、色々な機会に、日本と韓国はアジ
アに自由を拡大するため同盟を目指すべきと言ったのですが、一度も親日派と言
われませんでした。普通、左翼のプロパガンダばかりにさらされてきた人を、我
々がこういう運動を通じて現実をありのまま、善と悪の対決という本質を示すの
は、少し勇気が必要ですが、そう難しいことではないと思います。

櫻井 どうもありがとうございました。反対する人がいても、これをやらなけれ
ばいけないというところに向かって決然として進んで行くことだと思います。そ
こで、具体的に、北朝鮮には韓国から拉致された人、日本から拉致された人、中
国からの拉致被害者とたくさんいるわけですけれども、具体的に、自衛隊を動か
すにしても、救出軍を送るにしても政治の意志がはっきりしないという非常に大
きなネックがあります。それを超えたところで、荒木さん、例えば日本側が具体
的に準備をしておかなければいけないことは何でしょうか。

◆拉致と直接関係ない情報も含め脱北者情報の収集を
荒木 我々の立場から言いますと、とにかく情報ということになります。その情
報というのは、今だけでも日本国内に約200人弱の脱北帰国者の方々がおられる
わけですから、そういう方々を初めとして脱北者の方々からできるだけ多数の情
報を集める。それは別に拉致と直接関係ないような情報でも何でも構わないと思
います。どこの町のどこにこういうものがあったということを、馬鹿でかい地図
にプロットできるようなことをしていって、そしていろんなことを見ていけば、
そんなに広い国ではありませんから、どこに何があるかというのは大体見当がつ
くだろうと思います。そこに目撃証言とかそういうものをいろいろ重ねていけば、
状況はより精密にわかってきて、いざ何かの必要で入って行く場合には一番役に
立つだろう。

そういう積み重ねが必要だと思うんですが、今のところあまり情報を大事にし
ているように見えないし、官庁間の縦割りが非常に多いので、私はなかなかいく
つもの官庁が集まって一緒にやっても難しいんじゃないかなと正直いって思いま
す。どこか一つ、できれば自衛隊と言いたいのですが、そこが集中して情報を集
めて、情報の保全も含めてやるという形のことがまず一番重要ではないかと思い
ます。

櫻井 拉致被害者の居所とか、どういう状況にあるかということについて金聖▲
さん、どのくらいの情報があるんでしょうか。

◆拉致被害者情報はこれから出てくる
金聖▲ 拉致された人々に対しての北当局の管理は徹底しており、我々は壁にぶ
つかっているような状況だと思います。私は、北で工作員として活動したとか、
工作員のための特別な招待所で生活した人とか、外交官出身とか、そういう特別
な脱北者と接触しているのですが、そういう人々も拉致被害者に対する情報はほ
とんど持っておりません。

私は実は、昨日日本に来る時、北に居住している120人ほどの日本人に関する
情報を持ってきて、名簿を西岡先生に渡しました。こういう色んな、以前は想像
もできなかったような情報が得られるようになっているにもかかわらず、拉致被
害者の情報には未だ接していません。それほど北の体制は徹底して秘密を守る体
制をとっています。ただ我々は決して諦めるわけにはいきません。北は徹底的に
情報流出を止めているけれども、どこかで一度突破口が現れると、その時は沢山
の情報が得られるようになると思います。我々はこれを決して放棄してはいけな
いと思います。

実は、我々の放送局に、北で我々の放送を聴いていた脱北者もいますし、また
放送を聴いた北の住民に中国で会っていろいろな話を聞いているのですが、彼ら
は皆、日本政府がどれほどの熱意を持って救出をしようとするのか、沢山のお金
を用意できるということを皆がわかっていますので、いつどこからどういう情報
が出るのかはこれからの問題ではないかと思います。

櫻井 金聖▲さん、その120人の名簿の方々は北朝鮮に住んでいるどういう日本
人なのでしょうか。

◆拉致以外で北朝鮮に日本人妻等120人の日本人情報
金聖▲ これは拉致被害者ではないと思うんですが、北の、日本に例えると警察
当局が管理する名簿の中に、日本人だけではなく中国人、アメリカ人というふう
に、住民管理の方でそう書かれているものを持ってきました。

西岡 工作機関の中のものではなくて、一般社会に生活している人の名簿です。
実は同じ種類のものを別のところから貰ったこともあります。日本人妻らでした。
いつ日本から行ったということも書いてあるのですが、時期から見ても在日朝鮮
人のいわゆる帰国船に乗って行った人たちの名簿でした。ただし、そういうもの
が取れるということは、今後、拉致被害に関する情報が出る可能性もあるという
ことで、実はまだここに公開できませんが、今回も金聖▲さんから1件、ある情
報をもらいました。前もいくつか情報をもらっています。私のレジュメに書いて
ある未確認情報も金聖▲さんの協力で得ているものもあります。金聖▲さんは今
の段階でも韓国に2万人いる脱北者のリーダーの一人です。誰がどこにいるか大
体分かるし、国情院が管理している人も金聖▲さんだったら会います。そういう
金聖?さんが我々の味方にいてくれるということは大変ありがたいことです。

私が委員長を務めている自由北朝鮮放送支援日本委員会があります。まだ韓国
政府が金聖▲さんを助ける段階まできていなくて、アメリカ政府が一部助けてい
たのですが、その補助金も切れて、今苦しい中で、しかし日本人のための拉致の
放送も続けて下さっています。今日の皆さんからのカンパは全部自由北朝鮮放送
支援に充てさせていただきますので、是非、拉致問題解決に協力下さっている自
由北朝鮮放送を、もちろん「しおかぜ」も「ふるさとのかぜ」もありますけれど
も、皆で支えていければと思います。

櫻井 今の金聖▲さんのお話は非常に示唆するところがあったと思います。みな
さんがたのお話を聞いて私たちが感じるのは、日本国政府の意思が欠如している
ために中々自衛隊を動かすということはできない。また動かすとしてもそれなり
の障害があるかもしれない。しかし、何の摩擦もなく今すぐできることは、日本
政府がどれだけ拉致問題解決に意欲があって、そのための情報に対してはいくら
でも褒章を与えますということだと思います。我が国はいろんな外交をお金で片
付けてきたという一つの特徴がありますが、この拉致問題についての情報収集に
お金を使うことはちっとも悪くない。むしろ今すぐにできることとして強力にア
ピールしていきたいと思います。

時間がなくなりましたが、潮さん、荒木さん、島田さんの順に、わが国がいっ
たい何をしなければいけないか、韓国とともに、アメリカとともにできることは
何かということをお話していただければと思います。

◆日本も特殊作戦群を出さなければ、テロリストの情報は貰えない
潮 仮に自衛隊を投入するということになれば、軍事的には特殊作戦ということ
になります。具体的には、陸上自衛隊の中央即応集団の特殊作戦群に大きな役割
が期待されることになると思います。一般論で申し上げると、テロリストの情報
は特殊部隊が握っている。したがって日本も特殊作戦群を出さなければ、そうし
た情報が貰えないということが、イラク戦争の間、言われたことです。当然、北
朝鮮の事態にも、そうしたことが当てはまるでしょうし、アメリカとはもちろん
のこと、韓国とも、そのようなレベルでの連携を、今から模索しなければいけな
いと思います。情報に関しては、かなり韓国に頼らざるを得ないと思いますが、
こちら側から何も提供せず、「下さい、下さい」と言っているだけでもらえると
いうほど、あの世界は易しい世界ではないということを最後に申し上げておきま
す。

◆中朝国境近くに情報拠点を
荒木 韓国の諺で、「シジャギパニダ」という諺があります。始めれば半分終わっ
たも同然だ、と。日本のほうは「百里の道も九十里をもって半ばす」ということ
で、これが韓国人と日本人の一番の違いだと思います。我々も非常におっかなびっ
くりなので、少し韓国の人を見習って「シジャギパニダ」でやった方がいいと思
うのですが、同時に韓国の方々にも「百里の道も九十里をもって半ばす」という
のを理解していただいて歩み寄れれば先ほどの話が現実化するのかなという感じ
がします。

もう一つ情報の話で、中国の中朝国境近くに拠点を置くということが可能だと
思います。例えば日本語学校を偽装するとか、日本料理店とか偽装していく。人
材はいくらでもいますから、皆でそういうこともやっていったらいいんじゃない
かと思っています。

◆日本は国連安保理常任理事国入りの努力をすべきでない
島田 先ほど触れた中国がらみで、日本政府がやってはならないことを1点だけ
指摘したいと思います。政府は国連安保理常任理事国入りを「悲願」として掲げ
ており、そのため常任理事国で拒否権を持っている中国の反発を買うわけにはい
かない、中国に気を使わざるを得ないなどと言う政府関係者も少なからずいます。
いまアメリカでティーパーティーという運動が盛り上がりを見せています。彼ら
は外交政策に関してははっきりした統一目標を掲げていませんが、ただ1点、ティー
パーティー参加者に共通している「国連、あんなものにカネを出すな」という発
想です。アメリカ政府には削るべき無駄ややめさせるべき民間への介入が山のよ
うにある、国連などは、さらにその上を行く無駄と余計な口出しの固まり、国際
的天下り機関というべき存在であって、あんな所に米国民の税金を渡すなという
ことです。

日本も、安保理入りしたいから中国に気を使うなど愚かをきわめた発想です。
ジョン・ボルトン元米国連大使の言葉を紹介しておきましょう。「国連は役に立
つのか」と聞かれたボルトンはこう答えた。”Sometimes. Accidentally.”
「時々偶然にも」というわけです。もう一つ、国連総会と経済社会理事会の意義
についてボルトン氏はこう述べています。「単に酸素と紙を消費するだけの存在」。
そんな空虚な場における地位を上げるために、しかも実現可能性が事実上ない話
のために中国に気を使うといったバカなことは絶対してはならないと思います。

櫻井 ありがとうございました。最後に金聖▲さんと許博士にもう一言ずつお願
いします。

金聖▲ 私は今まで自由北朝鮮放送をしながらこの運動にも参加してきましたが、
拉致被害者家族の皆様に対する時、いつも複雑な気持ちになります。早く解決さ
れるべきなのにという複雑な思いになります。もちろん私も韓国で、親日の放送
だと言われたことがあります。ただ、わが放送局に21歳の若者がいますが、金正
日を倒すためには百回でも親日になると言っておりますので、そういう気持ちで
やっております。

許南▼ 先ほど私の話を通じで、私が中国よりは日本に対して友好的な感情を持っ
ているということがおわかりになったと思います。実は私は親日派ではありませ
ん。私は親自由民主主義派です。もし中国が自由民主主義の国になれば二股をか
けるかもしれません。先ほども申しましたが、今の韓国社会には自由民主主義の
価値観を持つ人がより多いです。それで私は先ほど韓国人と日本人とはイデオロ
ギーのDNAが同じだと申し上げました。

日本語でも翻訳されているかどうかわかりませんが、『第三のチンパンジー』
という本があります。私は人間において本当に重要なことは、その人が日本人な
のか韓国人なのか、あるいは中国人なのかの前にその人の思考方式、考え方、理
念、イデオロギー、こういうことがもっと大事だと思います。というのは、人間
は思考方式によって行動するからです。

最近韓国はいろんな国々とFTA(自由貿易協定)の交渉をしています。もちろ
んFTAに反対する人も多くいます。利害関係はいつもあります。私が思うのは、
私たちは善のほうに立っていると思います。我々が善の勢力だという確信を持っ
て行動すべきだと思います。

櫻井 どうもありがとうございました。まだお聞きしたいんですけれども、次の
第2部に移りたいと思います。パネリストの皆さん本当にありがとうございまし
た。


第2部 救出への決意表明

司会 西岡力
第2部は、民主党、自民党、公明党で、先頭に立って戦っている先生方が、「流
動化する北朝鮮情勢と救出戦略」というテーマのシンポジウムを受けて、このよ
うな情勢の中でどうやって助けるのかについて、決意を語ってくださいます。ま
ず、松原仁・拉致議連事務局長にお願いいたします。

◆法的整備も含めきちんと救助ができる体制を
松原仁・拉致議連事務局長、民主党衆議院議員

今年もこのような国際シンポジウムがあったということは、まだ解決ができて
いないということで、私たちは反省しなければならないと思っています。昨今の
外交の様々な問題を見て、私たちは一つのことを確信したわけです。つまり、世
界にある民主主義国家と共産主義国家では、その扱う言語、ものの考え方、行動
様式が明らかに異なるということを、極めて明快に私たちは認識したわけです。
我々は民主主義国同士で、議論によって解決するプロセスと、共産主義の言論の
自由がない国との間における議論はおのずから違う。どこが違うかといえば、力
を背景にしない議論は有効にならないということを、我々はこの間の国際情勢で
判断したと思います。

アメリカはかつて北朝鮮がこれ以上の核開発をしないということを前提にして、
様々な支援を北朝鮮に対して行ってきました。しかし、それは裏切られてきたわ
けです。あのクリストファー・ヒル(元国務次官補)氏は、北朝鮮をテロ支援国
家のリストから除外した。しかし、現実には、北朝鮮はそれによって核開発をや
めるどころか、さらに核開発を進めてきた。何回も裏切られてきたのです。つま
り我々が、対話の結果、これを代償にすれば核開発を止めますというような約束
は、すべて裏切られてきたということが、この間の事実だろうと思います。

同じようにして、我々がこの問題に対して、真面目に取り組んでいても、言葉
を違え、本気で解決しようという気もなく、ご案内のように嘘の死亡確認書を出
してきたり、インチキの遺骨を出してきたり、そういうことを繰り返し行って今
日に至っているわけです。

先般のあの北朝鮮による砲撃事件があり、米韓の軍事演習がありました。私た
ちが学んだことは、力を持っているものに対して彼らは手出しができないという
ことです。力を持った行動をどう取るかということは、同盟国アメリカとの関係
もあるでしょうが、そうしたことをきちっとやらなければならないわけです。

同時私が申し上げたいことは、今の北朝鮮が極めて政情不安定に陥る可能性を
秘めているということです。その時に、邦人の救出が、それは韓国にいる邦人も
含めて、極めて重要なものになるわけですが、拉致被害者が一体どこに捕われて
いて、日本はどうやって救出をするのか。自国民の救出であります。

自分の意思ではなく、北朝鮮の国家テロによって拉致をされたわけですから、
その救出のだめにどうするのか、そういったシミュレーションをし、そのための
様々な整備をしていかなければならないと思っています。そういうことに、議連
としても、是非とも取り組んで、きちんと救助ができる体制を整えるべく努力を
していきたいと思っています。

北の問題には様々な問題がありますが、私もアメリカに行って、北朝鮮の脱北
者の話を聞いたことがあります。それは私にとって極めて大きなインパクトがあ
りました。北朝鮮が極めて貧しく、厳しい食料不足になる状況において、アメリ
カの下院の集会室でアメリカ人が問うたわけです。「皆さんはこの厳しい食糧難
の時代の中で、アメリカからのまたは各国からの支援を求めますか」と聞かれ、
脱北者はこう答えました。「我々は極めて厳しい環境にある。しかし、そうした
食糧支援が行われたら結果として金正日を助けることになってしまう。我々の家
族には、結果として極めて長い間、監視された中での厳しい生活しか訪れない」
と。

それに対し、アメリカ人がもう一回質問し、「私はそれを聞いているんじゃな
い。我々の食糧支援が今年必要なのか。餓死が多数発生しているでしょう」と。
北朝鮮の脱北者は、欲しいとは言わなかったのです。「我々は少なくとも、金正
日政権が続く限り、北朝鮮の国民は不幸である」と。つまり、脱北したあとの家
族は一粒の米だってほしいでしょう。しかし、支援があると返って金正日政権が
強くなり、精神的にも物理的に捕われている北朝鮮の国民はさらに鎖でつながれ
てしまう」と。だから本当はほしいその一粒の米を、敢えてほしいとは言えない。
その彼らの思いを考えた時、我々が拉致被害者を取り返すだけでなく、北朝鮮の
体制を変えなければ根本的な解決ができないということが明らかだろうというこ
とです。

その時は、様々なことが起きるでしょう。その時に備えて、今言った法的整備
も含め、我々はきちんと対応する努力をしていくべきだろう。これが議連の事務
局長としての思いです。今日は長い間、ここで議論が交わされたわけです。時間
が経過をしていますが、体制が大きく変わろうとしているこの時期は、ある種の
タイミングだろうと思っています。私も問題意識を共有し、そこに向けて、努力
をしていきたいと思います。

西岡 次に、自民党のシャドウ・キャビネット(影の内閣)で、拉致問題担当副
大臣をされている、拉致議連副会長の山谷えり子先生にお願いします。

◆自衛隊を出して拉致被害者や邦人の救出を
山谷えり子・拉致議連副会長、自民党拉致問題特命委員会事務局長、参議院議員

皆様こんにちは。今日は国際シンポジウムの中で、貴重な論点や分析がありま
したことを感謝します。また、皆様方が、被害者を一日も早く全員取戻すのだと
いう思いでお集まりくださっていることにも感謝します。この問題は、一日も私
の頭から消えたことはありません。国会議員になった大きな理由は、この拉致問
題の解決でした。

政府の拉致問題担当の政務官をしておりました時、以前から拉致議連で何度も
アメリカに行っていましたが、国際社会にこの問題を認識してほしいと働きかけ
ていましたところ、横田早紀江さんに、アメリカの議会で証言をしてほしいとの
申し出がありました。それならばブッシュ大統領との面談も是非実現したいとの
ことで、ホワイトハウスに電話をし、面談も実現しました。

当時、北朝鮮による拉致は国際社会ではそれほど認識されていませんでした。
キッドナップ=子どもの誘拐事件だろうと思われている中で、そうではないんだ、
主権侵害で人権侵害のアブダクションなんだということを、それがきっかけにな
り国際社会に広めることができたと思います。拉致問題を各国語で、英語、中国
語、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語等々のパンフレットを作り、私
もアフリカ諸国を廻りながら大統領や首相に説明しました。また、北朝鮮と様々
な関係がある国々がありますので、情報をくださいと歩いてきました。

残念ながらまだ、拉致の被害者がどこにいるのか分かりません。しかし、いざ
となったら情報を真っ先に下さいという関係だけは作っておき続けたいと思って
います。安倍内閣の時は、昭恵夫人が各国の大使夫人を招いて、めぐみさんの映
画の上映会などもやりまして、国際社会の中で拉致問題を訴え続けてきました。

この11月1日に、拉致議連として、松原仁事務局長もご一緒でしたが、家族会
・救う会の皆様と、ソウルで行われた国際拉致解決連合の大会に参りました。拉
致の被害国は12か国にのぼると言われています。ルーマニアやタイからもいらし
ていました。韓国は、李明博政権になって初めて、拉致問題の木開け津というこ
とを言いました。朝鮮戦争の時に8万人から10万人が連れて行かれた。その解決
をしたいと初めて大統領として言われたのが李明博政権です。

大会が終わった後に、私たちは与党の院内総務や政府高官、国会議長等と朝鮮
半島情勢について意見交換をしました。その時に非常に印象的だったのが、朝鮮
半島はどうなるのでしょうと聞くと、「急変事態があるかもしれない」、あるい
は「雪崩のようなことがおきるかもしれない」と言われました。

今自衛隊法では急変事態の時に、自衛隊を出して被害者や韓国にいる日本人を
助け出すことができません。行けるのは、相手国の同意があった時、そして安全
地帯であること、こういう条件があるんですね。ばかばかしいことです。ですか
ら、自民党として、被害者を救出しなければならないということで、急変事態の
時は安全地帯ではないわけですから、自衛隊を出して邦人を救出できるという法
案を作り、国会に提出しました。その前の国会も含め2回連続で審議してほしい
と出して、論議してほしいと民主党政権に出しているところですが、いずれも袖
にされてしまいました。

きっと松原事務局長は、党内を走り回って努力してくれていると思いますが、
もっと努力をしなければなりません。予算委員会のテレビ中継があった時に、こ
のことを菅総理に、「早く審議に応じてください」と申し上げたんですが、菅総
理は何と答えられたか。「一般論として大いに議論すればよろしいと思います」
でした。私はこれは、総理の答弁ではないと思っています。来年の通常国会でも
自衛隊法の改正案をまた出しますので、松原事務局長がもっと努力して、きっと
審議ができるようになると信じています。

その他に、延坪島への砲撃事件がありました。あれは仁川空港からそんなに遠
い距離じゃないんです。ソウルも、38度線から車で1時間半くらいです。本当に
自体は緊迫しているわけで、米韓の演習がありました。日本もその中で、連携を
深めています。参議院の拉致問題の委員会としましては、自衛隊の制服組に、で
きる範囲でいいから教えてほしいということで、自衛隊の制服組が国会で証言す
るということは、過去30年以上なかったことですが、今回は是非やってほしいと、
今私が強硬に主張しています。これも来年実現されていきたいと思います。私た
ちの力の支えは皆様方、世論です。どうぞこれからも宜しくお願いいたします。

つづく





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「もう我慢できない。今年こそ結果を!」。2月2日に家族会・救う会合同会議で決めた今年の運動方針です。 拉致被害者家族の高齢化が進み、「生きている間に被害者に会えないかもしれない」という言葉が出るようになっています。経過はすべて説明して頂くことはないと思います。しかし、今年中にぜひ結果を出して欲しいということが、家族会・救う会そして心ある日本人の心の底からの叫びだと思います
2014年4月27日午後2時午後5時 日比谷公会堂
東京都
千代田区
日比谷公園1-3